最高の食卓☆多謝
- 2015.09.23 Wednesday
ONE DAY STAGE『最高の食卓』が無事終演いたしました。ご来場、ご声援、誠にありがとうございました。
美しいお花もたくさん頂きました。ありがとうございました!!
さて、毎度の事ですが、作品をひとつ創るというのは大変です。
色々な考えをひとつにまとめながら、思い描くイメージにじわりじわりと近づける。
演出というのは面白いけれども、なかなか思うようには簡単に進まないので「根気」が必要です。根気は必要ですが、短気は損気(笑)。気長に自分のプランに沿うように場を作り、物語を形作っていきます。でもまぁ、そのプランごとひっくり返されるなんてこともままあります。それでもやはり根気あるのみ。。。そんな日々を稽古中は毎日送るのです。
豪腕ふるってガチンガチンに決めてしまってもいいけれど、それじゃ誰がどの役をやってもいい事になってしまうわけで、つまらない。だから自動的に茨の道を選ぶんですね、僕の場合。「俺は勝負しますよ!だから役者も勝負しなさいよ!」って言いたいから。笑
俳優はまずは四の五の言わず、自分のやれることを必死に演出と共演者に提示して、周りの人間を自分の演技で動かす。ってのが大事。「その場にいる」っていう役の大前提は維持しながら、俳優としての脳みそをフル稼働して役の目線を創り出し、どんどんと自分のプランを提示する。演出と俳優の健全な関係はここにある気がします。
「最高の食卓」の稽古場で最も気にしたのがここでした。一方通行になってはいけない。が、俳優に不安を与えてはいけない。その瀬戸際を毎日狙っていました。目指したい方向は決まっているけど、なるべく答えを提示したくないから(提示すると、簡単にそこに心が向きすぎるから)、遠回しに遠回しに演出を付けていきました。
簡単に答えを言っちゃいそうな飲みニケーションにも参加せず(ホントはとても参加したかった笑)、とにかく程よく演者との距離を取ることに意識を向けていました。ま、全てが僕の思い通りにはいかなかったけど、演出と俳優が程よく責任を感じながら稽古をすすめることが出来た気がします。※もちろん、本番の出来の責任は演出家にあります。
というわけで、自分の劇団でもハーベストでもない久しぶりの外部演出で、もう一歩自分にも同世代の俳優陣にも負荷をかけられた気がします。
そして、作品の評価はお客さまが全て。
楽しんでくださっていれば、全ては報われます。
下の写真は、深沢座長と素晴らしきキャストの皆さん。
さらに下の写真は、実はもう僕の演出に4回もでてくれてる同い年の響・長友光弘さんです〜。
キャスト・ゲストの皆さま、スタッフの皆さま、ご来場くださったみなさま、本当にありがとうございました!!
うん、「公平マジック」にも感激したのですが、ハーベストのメンバーさんで観劇された方にお伝えした、演劇だから出来ること。
感動しましたよ。凄いと思います。
いつもいつも思うのです。メンバーの全員に、
公平先生はなぜ「稽古で固めて」同じクオリティーの舞台を演じさせないのか?
「なんであんなに苦しい“モガキ”を毎公演続けさせるのか?」
蜷川御大の舞台を当日券でも観に行く方が、まるで正反対の方法論を採るのか?
演者一人一人が「自分の正解」を追求することを続けて行くことを求めているのですね。
公開稽古。私は様々な人の取り組みにかかわらざるを得ない仕事をしていたので、「見れて嬉しい」ではなくて、「この子はどこまで解っていたり、どれを達成しようとしているのだろう?」と言うことに目が行ってしまうのですよ。
素晴らしい素材たちに、可能性を信じ続ける指導者。素敵ですなー。
体が壊れるまで鬼軍曹として、身につける武器に磨きをかけることを強制して来た自分が、道楽として楽しむものは、若者の新しいものを身につけていく姿なのです。
「まず、お客さんの気持ちを知りなさい。」と言うことだけが共通点の、「口に出さずに考えさせる」「その娘が気がつくまで待つことが出来る忍耐力」に驚きを隠せないのです。
未だに、人を信じることが出来る演出家を見る喜びを先生に解っていただけるでしょうか?
私の支持する演出家・映画監督の方々は、後輩を育て、映画製作を出来る場を与え、育てている人ばかりです。
役者を育てる演出家がいてもおかしくはないですものね。